今からIPO投資を始めようとしている人に、IPO株の買い方から売却までの一連の流れを解説したいと思います。
IPO投資は投資初心者でも簡単に利益が出やすくローリスク、ハイリターンの非常に人気の高い投資です。
株式投資をやったことのない人にとっては難しく考えてしまいがちですが、IPO投資は単純作業の繰り返しで、特に投資初心者には向いていると思います。
IPO投資とは?と言う人は以下の記事を参考にしてください。
IPO投資をする個人投資家は、IPOの承認から上場までの間で申込みをします。
IPO投資に必要になる証券会社
IPO株を買うには、証券会社から申込みを行う必要があります。
日本の証券会社は数百社とありますが、すべての証券会社から申込みをできる訳ではなく、申込みできる証券会社は限られています。
申込みできる証券会社は、IPOの取扱いが決まった以下の幹事証券会社です。
- 主幹事証券会社
- 幹事証券会社
- 委託幹事証券会社
IPO銘柄によってどこの証券会社が上記3つの幹事になるかは、IPOが承認されるまで分かりません。
まずは、IPOの当選を狙うために主幹事証券会社からの申込みは最優先で行います。
IPOの取扱いが多い幹事証券会社はある程度決まっているので、IPOの申込みに必要な証券会社の口座開設を済ませておく必要があります。
口座開設がまだの人は、下記の記事を参考にしてください。
上場が承認されたIPOを確認する
新規上場 (IPO) を目指していた企業が厳しい審査を通過して上場が承認されれば、その企業の情報や、IPOの申込み条件、幹事証券会社などを確認できるようになり、申込日になるとIPOの申込みが行えます。
IPOの調べ方は以下の3通りがあります。
- 証券取引所で調べる
- 証券会社から調べる
- EDINETで調べる
証券取引所で調べる
まずは、証券取引所で調べるのがおすすめです。
証券取引所で調べる場合は、日本取引所グループ (JPX) のホームページから調べます。
東京証券取引所グループと大阪証券取引所が経営統合して誕生したのが日本取引所グループ (JPX) です。
IPOが上場する証券取引所は、ほとんど東京証券取引所になっています。
日本取引所グループは、東京証券取引所に新規上場承認されたIPOの情報を15時30分に記載するので、確実で早い情報収集サイトになります。
日本取引所グループは地方証券取引所に上場するIPOの情報は記載されません。
たまに、地方証券取引所でIPOが上場することもあるので以下の証券取引所も確認しておくといいでしょう。
- 名古屋証券取引所
- 札幌証券取引所
- 福岡証券取引所
証券会社で調べる
証券会社で調べる方法は、その証券会社が取扱うことになったIPOの情報しか記載しないので、あまりお勧めしませんが、委託幹事 (裏幹事) を調べる場合は必要になります。
委託幹事は、目論見書などに正式に記載されないのでどこの証券会社が委託幹事になるか分からないので、委託幹事になる証券会社の情報を確認しないといけません。
委託幹事は、同じグループの証券会社が主幹事または幹事になった時に、その証券会社からIPOの取扱いを委託されることが多いです。
そのため、同じグループ会社が幹事入りした時は、マメにチェックするといいでしょう。
EDINETで調べる
EDINETは、金融庁が提供するシステムを利用した有価証券報告書等の開示書類を観覧できるサイトで、誰でも無料で観覧できるサービスです。
IPOが新規上場承認されれば15時に情報開示され、証券取引所よりも30分早くIPO情報が確認できる1番早い情報収集サイトになります。
新規上場承認されたとしても、すぐに申込みができる訳ではないので、IPOの情報が取り急ぎ必要でなければ、証券取引所で調べることで十分だと思います。
EDINETは、新規上場承認されたIPO以外に大量の書類がが記載されていくので、時間の経過とともに見つけにくくなってきます。
主幹事と幹事になった証券会社を調べる
IPOが新規上場承認されれば、そのIPOを取扱う幹事証券会社団も調べれるので確認するようにします。
まず、主幹事証券会社からの申込みは最優先で行うようにします。
新規上場承認されてからIPOの申込みを行うブックビルディングまで約2週間の期間があるので、IPOをする企業の「目論見書」を確認して、申込みを行う証券会社の選別や必要資金の準備などをしましょう。
目論見書とは、IPOをする企業の事業内容、業績、今後の事業目標、募集・売り出し株の条件、株主構成、幹事証券会社など、IPOをするための情報が記載されています。
IPOに申し込むためには目論見書を閲覧して、その企業の事やIPOをする条件を理解したうえで申込みをすることを同意しないといけません。
新規上場承認されたIPOや幹事証券会社団の詳しい調べ方は、以下の記事を参考にしてみてください。
IPOの申込みから売却までのながれ
新規上場承認されたIPOのブックビルディング (需要申告) が開始されると、IPOの取扱いが決まっている証券会社から抽選に参加するための申込みができるようになります。
通常、IPOの申込みは100株単位での申込みです。そのため公募価格 (購入価格) ×100株の資金は必要になります。
唯一、この常識を打ち破った証券会社はSBIネオモバイル証券で、1株からIPOの申込みが可能です。
詳しくは下記を参考にして下さい。
一般の個人投資家は、抽選に参加して当選しないとIPO株を購入することができません。
そのため、抽選に参加するためにブックビルディング期間内に申込みを行う必要があります。
抽選参加の申込みも前期型と後期型で申込み方法が違ってきます。
資金不要で抽選参加できる証券会社もあるので以下の記事を参考にして下さい。
IPOの申込みから売却までのながれは難しいことは何もありません。
なにより当選することが1番難しいです。
とは言え、1度もIPOの申込みをしたことのない人にとっては難しく感じてると思うので、以下の4点のながれを画像付きで解説していきますので参考にしてください。
- ブックビルディングの申込み
- 抽選結果の確認
- 当選後の購入申込
- IPO株の売却 (初値売り)
ブックビルディング申込み
IPO投資でも必須になってくる、主幹事トップクラスの大和証券からの申込み方法を解説していきたいと思います。
今回の実例で解説していく大和証券は、ブックビルディング申込み時に必要資金の入金が必須なので、入金を先に済ませておきます。
ブックビルディングの申込みだけ違うIPO銘柄になっていますが、ご了承下さい。
(画像を取り忘れてしまいました)
大和証券のログイン画面からログインします。

①の「支店コード」②の「口座番号」③の「パスワード」をそれぞれ入力して④の「ログイン」をクリック。
下記のページに移動。

⑤の「新規公開/公募売出」をクリック。
下記のページに移動。

IPOの取扱い銘柄が表示されます。
詳細情報確認して、新規公開株式の⑥の「抽選参加申込」をクリック。
下記のページに移動。

「抽選参加サービス取扱規定」の内容を確認したうえで⑦の「はい」をクリック。
下記のページに移動。

申込みを行う銘柄の⑧の「選択」にチェックを入れます。
大和証券での申込み株数は、1単元 (100株) と決められているので、自動的に100株の申込みになっています。

⑨の「確認」をクリック。
下記のページに移動。

「当社の電子交付について」を確認していきます。

確認したら⑩の「承諾する」をクリック。
下記のページに移動。

抽選申込内容を確認していきます。
抽選結果公表日や購入申込期間を確認しておきます。
ちなみに、大和証券では抽選結果公表日の朝6時から結果の確認ができます。

「誓約」を確認して⑪の「暗証番号」を入力して⑫の「誓約のうえ申込む」をクリック。
下記のページに移動。

抽選参加申込の受付ができたことを確認できたら申込み完了です。
後は抽選結果まで待つだけです。
抽選結果の確認
抽選結果公表日がきたら抽選結果を確認します。
まずは、大和証券にログイン。

①の「新規公開株/公募売出」をクリック。
下記のページに移動。

新規公開株式で②の「申込状況照会」をクリック。
下記のページに移動。

抽選結果で、今回はチャンス当選していることが確認できました。
大和証券では、「完全平等抽選」と「チャンス抽選」の2種類の抽選が行われます。
ここでIPO初心者の人が注意しないといけないのは、当選したから自動的に購入されるわけではありません。
購入申込期間内に購入の申込みを行わないと、当選したIPO株は購入辞退扱いとなります。
当選後は必ず期間内に、購入申込みの手続きを忘れないようにしましょう。
当選後の購入申込
当選を確認したら、購入申込期間内に購入申込を行います。
まずは大和証券にログイン。

①の「新規公開株/公募売出」をクリック。
下記のページに移動。

新規公開株式の②の「購入申込」をクリック。
下記のページに移動。

契約締結前交付書面や留意事項などを確認していきます。

契約締結前交付書面や留意事項などを確認し、③の「契約締結前交付書面を確認したうえで取引を行います。」をクリック。
下記のページに移動。

当選した銘柄が表示されるので、購入申込をする銘柄の④の「選択」にチェックをいれて、⑤の「主口座で購入」をクリック。
( 大和証券でNISA口座を開設いれば、「NISA口座での購入」も選択できます。)
下記のページに移動。

購入申込内容を確認。

「目論見書」を確認したうえで⑤の「はい」をクリック。
下記のページに移動。

購入申込内容の確認します。

⑥の「暗証番号」を入力し、⑦の「誓約のうえ購入する」をクリック。
下記のページに移動。

購入申込の受付できたことが確認できたら申込完了です。
上場日以降になると購入したIPO株を売却できるようになります。
IPO株の売却 (初値売り)
今回の売却は、IPO投資では王道の「初値売り」で売却したいと思います。
IPO初心者には特におすすめする売却方法になります。
初値売りは上場して初めてついた値で売却する方法なので、上場日の9時までに「成行」で売却注文をだしておく必要があります。
大和証券では上場日ので朝6時から売却の注文が可能です。9時までに忘れず注文を出します。
大和証券にログイン。

①の部分を「国内株式」に変更し、②の「Go」をクリック。
下記のページに移動。

現物取引の③の「売付注文」をクリック。
下記のページに移動。

売却する銘柄を確認し、④の「選択」にチェックをいれて⑤の「次へ」をクリック。
下記のページに移動。

⑥の注文数量を入力、⑦の注文条件で「指値・成行注文」を選択、⑧の執行条件で「指定なし」を選択、⑨の注文単価で「成行」にチェック、⑩の注文有効期限で「当日限り」にチェックをいれて、⑪の「注文内容を確認」をクリック。
下記のページに移動。

内容を確認し、誤りがなければ、⑫の「暗証番号」を入力し、⑬の「誓約のうえ注文する」をクリック。
下記のページに移動。

これで初値売りの注文は完了です。
確実に注文ができているか確認してみましょう。
⑭の「注文・約定照会へ」をクリック。

注文の内容も誤りがなく、注文中であることが確認できました。
あとは、上場日の9時以降に初値が決まるのを待つだけです。
上場日に初値がつかなかった場合は翌営業日以降に持ち越されます。
注意点として、初値売りの注文は当日のみ有効で、翌営業日以降になると失効します。
そのため、初値売りするためにはもう一度翌営業日の9時までに注文をする必要があります。
解説してきた【コマースOneホールディングス】は実際に当選して初値売りを行ったIPO銘柄です。
上場日に初値が決まらず、翌営業日に6,970円で初値がつきました。
- 公募価格1,600円
- 初値価格6,970円
IPO株は基本100株単位の申込みなので、1,600円×100株の160,000円で購入。
初値売りで売却したので、初値価格6,970円×100株の697,000円で売却。
売却価格697,000円-購入価格160,000円=利益537,000円
初値で売却するだけで、537,000円の利益になりました。
まとめ
IPOの買い方から売却の流れを解説してきました。
流れをまとめてみましょう。
- IPOで重要になる証券会社の口座開設
- 上場承認されたIPOを調べる
- IPO抽選参加の申込みを行う
- 抽選結果の確認
- 当選したIPO購入申込を行う
- IPO株の売却注文 (初値売り) を行う
今回は大和証券での申込みから売却までの流れを解説してきましたが、IPO投資の大まかな流れはこんな感じです。
当選できれば簡単に大きなリターンが得られるIPO投資です。
IPOの申込み自体は慣れてしまえば1分ほどで出来るようになります。
あとは、IPOの申込みにあたって前期型と後期型の違いや、各証券会社によって細かいIPOルールがあったりしますが、そのあたりを注意して実践していけば決して難しい投資ではないので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
なにより当選できることが1番難しいので、できるだけ当選確率を上げていく事が重要になってきます。