松井証券は100年以上の実績がある老舗のネット証券です。
早くからインターネット取引を導入して様々なサービスも展開していきサポート体制も充実しています。
取引手数料も低水準で、無料で使えるトレーディングツールやロボアドバイザーなどたくさんの投資家から評価をうけています。
松井証券のIPOの取扱い実績は多い方ではありませんが、IPO参加者にとっては大変ありがたいIPOルールとなています。
ここではそんな松井証券のIPOルールを中心に解説していきたいと思います。
松井証券の特徴・実績
松井証券のIPO取扱い実績は多い方ではありませんが、近年は増加傾向にあり期待したいところです。
年 | 全IPO数 | 主幹事 | 幹事 |
---|---|---|---|
2017年 | 90社 | 0社 | 14社 |
2018年 | 90社 | 0社 | 9社 |
2019年 | 86社 | 0社 | 21社 |
松井証券のIPOルールは2018年9月から変更され、もともとは購入申込期間の終了後に抽選が行われる『後期型』を採用していましたが、ブックビルディング申込期間の終了後に抽選が行われる『前期型』に変更されました。
なんといっても松井証券は資金の入金が不要でIPOの抽選に参加できる数少ない証券会社で、IPO株の抽選配分も高いものとなっています。
未成年口座からのIPO申込も可能で、資金の入金が不要で抽選参加できるということは家族が多い方にはかなり有利になってきます。
IPO投資家にはなんともありがたいルールになっていて、IPO投資のために松井証券はメリットが多いです。
IPO抽選配分
松井証券のIPO配分は割当られた株の70%~100%を抽選配分するルールとなっています。
70%~100%の配分となりますが、ほとんどのIPO銘柄が100%となっているようです。
抽選方式は完全平等抽選になっています。
完全平等抽選なので資金や取引実績などの優遇はなく抽選参加者が全員同じ当選確率です。
IPO抽選参加ルール
資金不要で抽選参加
前述でも説明しましたが、松井証券は前受金 (必要資金) が不要でIPOの抽選申込ができる証券会社です。
資金不要で抽選に参加できるので、少ない資金での投資家の人やIPOラッシュで資金繰りが難しい時なども気にすることなく抽選に参加できるなんともありがたいルールになっています。
- ブックビルディング期間中に抽選参加の申込を行う
- 抽選結果を確認する
- 当選していれば購入申込期間内に必要資金を入金して購入申込
IPOでは抽選に参加することが当選への第一条件なので前受金なしの証券会社からの申込は必須でしょう。
あたりまえですが、当選して購入するにはIPO銘柄の必要資金が必要になるので当選した時の資金繰りは忘れないようにしましょう。
資金入金のタイミング
当選か補欠当選で購入申込をする場合は、購入申込時点では入金が必要ではありませんが、購入申込期間最終日の15時30分までにIPO銘柄の購入資金の入金が必要です。
資金を入金していなくても購入申込はできますが、期限内に入金が確認できないと配分の対象外になってしまいます。
松井証券は資金ルールもかなり優しいものとなっています。そのため必要資金の入金忘れや、少額の資金で参加してる場合は当選時に資金繰りが間に合わないようなことなどに、注意したほうがいいでしょう。
せっかく当選できた、利益が望めるIPO銘柄を自分のミスで逃してしまうことほど凹むことはありません。
資金拘束のタイミング
当選か補欠当選して入金し購入申込を行った場合は購入申込期間最終日の15時30分時点が拘束のタイミングとなっています。
そのため資金拘束を受けることはほとんど無いに等しいことになります。
購入申込をしていなかった場合は資金拘束されることはありません。
補欠当選での購入申込で繰上当選にならなかった場合は購入申込最終日の17時以降に資金が解放されることになっています。
重複申込
抽選時に資金は必要ないので、抽選参加の申込がいくら重なっていようが可能です。
抽選結果
抽選結果は『当選』『補欠当選』『落選』で表示されます。
抽選日は需要申告最終日の翌営業日で、17時以降に抽選結果発が発表されます。
当選した場合は、購入申込期間内に購入申込を行うことになります。
補欠当選の場合は、購入申込期間内に購入申込を行い、購入申込最終日の17時以降に繰上抽選の結果が確認できます。
松井証券ではIPO銘柄の当選者と補欠当選者に配分しても配分株数が余る可能性がある場合は、落選者や重要申告に参加していなかった人からも、購入申込期間に購入申込を受け付けることがあります。
この申込をした人の中で抽選を行い配分します。
しかしこのような事がある時には公募割れの可能性が大きいので注意する必要があります。
いずれも購入を考えている場合は、必要資金の入金を忘れないようにしましょう。
当選後の購入キャンセルのペナルティ
当選もしくは補欠当選した場合の購入キャンセルのペナルティはありません。
購入申込をしても、購入申込期間最終日の15時30分までに必要資金の入金忘れなどで入金していなかった場合も配分の対象外となるだけでペナルティはありません。
そのため公募割れのリスクがでてきた銘柄のキャンセルは気にすることなく判断できます。
購入申込
当選か補欠当選した時は、購入申込期間内に購入申込を行い、購入申込期間最終日の15時30分までにはIPO銘柄の必要資金を入金しておかないといけません。
- 当選か補欠当選で購入申込期間内に申込
- 購入期間最終日の15時30分までには必要資金を入金
入金が確認できなかった場合は配分の対象外となります。
松井証券の売買手数料と入出金手数料
「売買手数料」については、IPO投資では申込みできる証券会社が限られているため、売買手数料で証券会社を選ぶことはできませんが、証券会社によって自分の取引に合った取引手数料のプランが選べたりします。IPOが上場してからIPOセカンダリー投資など、現物取引をするためには売買手数料も考慮する必要があります。
「入出金手数料」については、IPO銘柄によって申込みできる証券会社 (幹事証券会社) が違うため、資金移動を行うために頻繁に入出金が必要になってきます。そのため入出金は、手数料無料のサービスを使用することが重要です。
松井証券の「売買手数料」と「入出金手数料」について紹介していきたいと思います。
売買手数料
松井証券の現物取引手数料では、シンプルに1日の約定代金合計で手数料が決まる「ボックスレート」が適用されます。
決められた約定代金の範囲内であれば、何回取引しても手数料は変わりません。
ボックスレート (現物取引)
1日の約定代金合計 | 手数料 (税抜) |
50万円まで | 0円 |
100万円まで | 1,000円 |
200万円まで | 2,000円 |
100万円増えるごとに1,000円増加 | |
1億円超 | 100,000円 (上限) |
約定代金合計が50万円までは0円なので、IPO初値売りの場合は手数料が無料になることも多いと思います。
IPOの購入手数料は無料です。
まとめ
- IPO取扱い実績は多い方ではないが近年増加傾向
- IPO配分は割当られた株の70%~100%を抽選配分
- 抽選方法は完全平等抽選
- 前受金不要(資金不要)でIPO抽選に参加可能
- 入金タイミングは購入申込期間最終日の15時30まで
- 購入キャンセルのペナルティはなし
- 未成年口座でのIPO申込が可能
松井証券のIPOルールは優しいものになっています。
抽選配分も100%配分されているIPO銘柄が多く、完全平等抽選でIPO抽選に資金不要で参加できる証券会社なのでIPO投資家にとってはメリットしかありません。
未成年口座でのIPO申込ができるので、家族が多い人は有利になります。
抽選回数を増やすことが当選確率を上げる基本なので、家族口座からの抽選申込を増やすのが当選への近道です。
IPO取扱い実績は多くないものの、近年増加してきてるのでこのままのルールでIPO取扱いが増えていけば、かなり重宝する証券会社なことは間違いないでしょう。