SBI証券はネット証券の中でも最大手の証券会社です。
口座開設数も530万件以上とネット証券で最も多く、Tポイント投資ができるなど様々なサービスも豊富で人気の高い証券会社です。
IPO投資では、SBI証券のIPOチャレンジポイントが有名で、このポイントはかなり重要になってきます。
このポイントがたまるにつれて、確実に初値高騰のIPO優良株当選に近づくことになってきます。
ここではSBI証券のIPOルールを中心に解説します。
SBI証券の特徴・取扱い実績
SBI証券のIPO取扱い実績はダントツのトップです。
年 | 全IPO数 | 主幹事 | 幹事 | 主幹事+幹事 |
---|---|---|---|---|
2017年 | 90社 | 8社 | 75社 | 83社 |
2018年 | 90社 | 11社 | 75社 | 86社 |
2019年 | 86社 | 7社 | 75社 | 82社 |
年間で全IPOの約8割~9割も幹事証券会社を引受けています。IPO投資でもなくてはならない存在です。
幹事の実績がかなり多いSBI証券ですが、幹事の場合は主幹事に比べてIPOの引受け株数が少ないので、投資家に配分する株数も少なくなり当選確率が低くなってしまいます。
しかし、SBI証券独自のルールで抽選に落選してもIPOチャレンジポイントがもらえて貯めるといずれ当選できるようになるなんとも素晴らしいルールがあるので、落選しても確実に将来の当選に近づく事になります。
未成年口座からもIPOの申込みが可能なので、家族でポイントを貯めていけば人数分がいつか当選することになります。
IPO株抽選配分
SBI証券に配分されIPO株全体の約40%~50%がネット抽選に配分されます。
このネット抽選配分のなかで配分方法が2種類あり、株数に比例した抽選配分とIPOチャレンジポイントによる配分に分かれます。
抽選配分
ネット抽選配分の約70%が抽選配分されます。
最初に抽選されるこの抽選配分では、抽選申込口数が多いほど当選の確率が上がる仕組みになっています。
例えば
1単元は通常100株からなのでこれを1口として、1000株 (10口) 申込みするとします、1口だと1抽選ですが、10口だと10回抽選できるようになります。
なので10倍の当選確率の差があります。
この方式では資金があり申込口数を増やせる人がかなり有利なことになります。
資金に余裕があればできるだけ申込口数を増やしてブックビルディングに参加するのがいいでしょう。
IPOチャレンジポイント配分
ネット抽選配分の約30%がIPOチャレンジポイント配分されます。
抽選配分で落選した人の中で、ブックビルディング申込時にポイントを使用して申込みをした人が抽選の対象になる配分です。
申込みに使用したポイントが多い順に当選する人が決まる仕組みになっています。
同じポイント数の人が複数いる場合は、抽選により配分の順位が決まります。
申込み口数が多い有利な抽選とは違い資金が少なくて、なかなか当選しない人でも、ポイントを貯めていけばいつかは必ず当選できるようになります。
抽選に落選すると1ポイントもらえます。
なのでSBI証券の抽選にはできるだけ参加し、貯めたポイントで初値の高騰が見込めるIPO株に使用して当選を狙うのが有効的な方法です。
IPO抽選参加ルール
資金入金のタイミングは?
抽選時の前受金制です。
公募価格決定日の18時以降に抽選が行われます。
資金を入金していなくてもブックビルディングに申込むことができますが、抽選の対象になるには抽選時に買付資金が入金されていることが必要です。
そのため公開価格決定日の18時までに入金しないと抽選対象外になるので注意が必要です。
資金拘束のタイミングは?
当選か補欠当選したときに、そのIPO株の買付に必要資金『公募価格×当選株数』が拘束されます。
当選または補欠当選を辞退すると資金はすぐに解放されます。
購入意思表示を行わなかった場合、その期間終了後に資金は解放されます。
ブックビルディング時は拘束されません。
重複申込の資金は?
同一の資金で重複申込が可能です。
複数のIPO銘柄のブックビルディング期間が重なることが多々あります。
銘柄ごとの資金を用意しなくても、期間が重なる各銘柄のなかで最も高い価格の銘柄の資金を入金していれば、その他の銘柄も抽選が可能になります。
例えば
各銘柄必要資金がA銘柄が10万円・B銘柄が20万円・C銘柄が30万だったとします。
最も高いC銘柄の30万円を入金していれば、抽選日が同じでもすべての銘柄が抽選に申込みできます。
しかし注意が必要なのは、この3銘柄の中で先に抽選された銘柄が当選もしくは補欠当選すると、その銘柄の必要資金が拘束されるので、他の銘柄の抽選時に必要資金がたりなくなり抽選対象外になることもあります。
抽選日が同じ銘柄の場合は特に注意が必要になります。
どうしても抽選参加したい銘柄の場合には余裕をもった必要資金の入金か、重複申込を避けるか悩むところです。
抽選結果
抽選結果は、『当選』『補欠当選』『抽選対象外』で表示されます。
抽選日の18時以降から発表されます。
『補欠当選』は申込んだ株数の中から補欠当選した分が表示されます。『当選』したわけではありません。
補欠当選株の購入申込をすると当選者の辞退や購入申込を忘れた分の株が、繰上当選として配分される対象になります。
購入意思表示期間が終わると繰上当選結果が表示されます。
繰上当選はキャンセルができないので、補欠当選の時点で購入申込か辞退をよく考えて選ぶ必要があります。
『抽選対象外』は申込した銘柄の必要資金が抽選の時点で確認できなかった場合と、銘柄の公募価格未満の価格でブックビルディングに申込した場合が抽選の対象外になります。
例えば下記のようなことが考えられますので注意しましょう。
- 必要資金が足りない理由として、重複申込で先に抽選された銘柄が当選か補欠当選で資金が拘束された
- 公募価格は仮条件の上限価格で決定することがほとんどなので、仮条件の上限価格以上で申込していなかった
当選後の購入キャンセルのペナルティは?
当選、補欠当選をキャンセルしてもペナルティはありません。
IPOチャレンジポイントを貯めるためにも、SBI証券のIPO株抽選にはすべて参加することがいいでしょう。
株式市況によっては、ネガティブニュースなどが流れて公募割れの可能性が出てきたりもします。
そのような銘柄に当選してもペナルティが無いのでキャンセルすれば大丈夫です。
キャンセルなのでIPOチャレンジポイントは貰えません。
注意するべき点は、IPOチャレンジポイントを使用して抽選に参加した時の当選、補欠当選をキャンセルすると使用した分のポイントは戻ってこないので慎重に考えるほうがいいでしょう。
落選の場合は+1ポイントと使用した分は戻ってきます。
購入の意思表示
当選か補欠当選すれば購入意思表示期間に、『購入』か『辞退』を選択します。
どちらかの意思表示を1回選択すると、変更できなくなります。
補欠当選の繰上当選結果は購入意思表示期間が終了してからになります。
購入意思表示の期間は必ずSBI証券のホームページで確認するようにしてください。
IPOチャレンジポイントについて
IPO投資のなかでSBI証券といえば幹事数の多さと、なんといっても独自のサービスであるIPOチャレンジポイントが有名です。
IPOチャレンジポイントは落選すると1ポイント貰えます。
たくさん貯めたポイントを使用することにより、初値高騰が見込めるS級 (初値の期待度最上級) のIPO株にもいつかは当選できるようになる素晴らしいポイントサービスです。
ポイントを早く多く貯めるためには、SBI証券のIPOの抽選にはすべて申込みしていくことがコツです。
期待できない銘柄にも当選してしまう可能性もありますが、SBI証券は当選キャンセルのペナルティが無いため購入をキャンセルすることも選択できます。
SBI証券の売買手数料と入出金手数料
「売買手数料」については、IPO投資では申込みできる証券会社が限られているため、売買手数料で証券会社を選ぶことはできませんが、証券会社によって自分の取引に合った取引手数料のプランが選べたりします。IPOが上場してからIPOセカンダリー投資など、現物取引をするためには売買手数料も考慮する必要があります。
「入出金手数料」については、IPO銘柄によって申込みできる証券会社 (幹事証券会社) が違うため、資金移動を行うために頻繁に入出金が必要になってきます。そのため入出金は、手数料無料のサービスを使用することが重要です。
SBI証券の「売買手数料」と「入出金」についても紹介していきたいと思います。
売買手数料
取引手数料も証券業界トップクラスで様々なサービスも充実しています。
取引手数料のプランは「アクティブプラン」と「スタンダードプラン」の2種類あります。
なお、IPOの購入手数料は無料です。
国内株式の現物取引では以下の取引手数料になっています。
アクティブプラン
1日の約定代金合計額に対して手数料が決まる
1日の約定代金合計額 | 手数料 |
100万円まで | 0円 |
200万円まで | 1,278円 (税込) |
以降100万円増加ごとに | 440円 (税込) |
スタンダードプラン
1注文の約定代金に対して手数料が決まる
1注文の約定代金 | 手数料 |
5万円まで | 55円 (税込) |
10万円まで | 99円 (税込) |
20万円まで | 115円 (税込) |
50万円まで | 275円 (税込) |
100万円まで | 535円 (税込) |
150万円まで | 640円 (税込) |
3,000万円まで | 1,013円 (税込) |
3,000万円越 | 1,070円 (税込) |
IPOで初値が100万円を超える銘柄に当選する確率はかなり低いです。
IPOの購入は手数料無料なので、売却だけの約定代金が手数料の計算になります。
そのため、IPOの取引メインなら約定代金が100万円までは手数料0円のアクティブプランがおすすめです。
入出金手数料
SBI証券の入金方法は、以下の方法で入金できます。
入金方法 | 手数料 | 即時反映 |
即時入金 | 無料 | 〇 |
リアルタイム入金 | 無料 | 〇 |
銀行振込 | 負担 | ✕ |
振替入金 (ゆうちょ銀行) | 無料 | ✕ |
SBI証券での入金方法のなかで、インターネットでの「即時入金」が最もおすすめです。
即時入金はシステムメンテナンス中以外であれば24時間いつでも入金が買付余力に即時反映され、振込手数料が無料です。SBI証券と提携している金融機関であれば利用できます。
即時入金サービスが利用可能な金融機関は以下の通りです。
なお、即時入金を利用する金融機関でインターネットバンキングの契約を済ませておく必要があります。
提携銀行

SBI証券からの出金手続きの内容は以下の通りです。
振込先口座 | SBI証券で登録済みの金融機関口座のみ |
手数料 | 無料 |
出金予定日 |
営業日15:30までの出金指示 ⇒ 翌銀行営業日 |
利用可能時間 | 24時間 |
出金方法 | インターネット |
SBI証券の出金は手数料も無料になっています。
以前はSBI証券のATMカードでも出金が可能でしたが、2020年10月3日で入出金のサービスが終了しています。
SBI証券で登録している振込先銀行口座に出金が反映されるのは、最短でも翌銀行営業日になっています。
まとめ
- IPO取扱数はトップクラス!
- 抽選配分は2種類、抽選配分70%、IPOチャレンジポイント30%
- 抽選確率を上げるには1口1抽選もらえるので申込み口数を増やす
- IPOチャレンジポイントでの配分は使用ポイント数の多い順
- 抽選対象になるには、抽選日の18時までに必要資金を入金
- 同一資金でIPOの申込みが可能
- 当選時のキャンセルはペナルティ無し
- IPOチャレンジポイントはコツコツためてS級銘柄に使用
- 未成年口座でのIPO申込みが可能
- インターネットでの即時入金が可能で入出金手数料も無料
IPO投資をするには、ほぼ幹事になっているSBI証券の口座は必須です。
未成年口座でのIPO申込が可能なのでIPOチャレンジポイントも家族分ためていくと、めったに当選できないS級のIPO銘柄に家族分当選することができるようになります。
IPOの銘柄にもよりますが、IPOチャレンジポイントの価値は1ポイント、1,000円~3000円ぐらいはあると言われています。
このポイントを逃すことは、それぐらいの機会損失をしていることになるので、口座開設がまだの人はできるだけ早く開設するほうがいいでしょう。